日米開戦最後通告 外務省が公電を改竄

『日米開戦最後通告 外務省が公電を改竄 大使館に責任転嫁?』
という記事が12月30日の産経のページにあった。
http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/061230/wdi061230000.htm

 要するに、最後通告の公電が改竄され、外務省が編纂した公式文書「日本外交文書」にも改竄されたまま収録していたとのこと。しかも、外務省が「公電の原文がない」としてきたものを、国立国会図書館産経新聞が発見したということらしい。
 井口武夫尚美学園大名誉教授の「A級戦犯として巣鴨拘置所に収監された東郷茂徳外相らを救うため、本省側に、一切の責任を大使館側に押し付ける意図があったのではないか」という改竄の理由についての推理も記載されている。

 この原文の発見そのものが、「騙し討ち」の汚名を日本が被ったのはアメリカ大使館が悪かったと言う通説を覆すという意味で現代史についての大発見だと思う。

 また、上長の裁判のために公文書を偽造することの是非を考えると、当時の外務省の体制そのものが問われるべきではなかろうかとも思う。(軍の専横で骨抜きにされていたのかも知れないが。)

 別の視点からすると、この様な原文が国立国会図書館から発見されたということは、羽仁五郎などが指導した、“民主主義のためには情報を官僚の手から民衆の代表に移管させなければならない”という国立国会図書館の本来の職能が発揮されていたことの表れではないかとも思った。